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転勤の命令を拒否できるか

会社は業務命令として、部署の異動や、転勤を命じることがあります。

労働者としては、これまでの仕事にこだわりを持っていたり、職場に愛着を持っていたりして、拒否したいと思うような方も多いと思います。

そこで、転勤を拒否することが法律上、どのように扱われるのか解説します。

業務上の必要があれば拒否できない

判例では「労働契約は、労働者がその労働力の使用を包括的に使用者に委ねることを内容とするものであり、個々の具体的労働を直接約定するものではないから、使用者は労働者が給付すべき労働の種類、態様、場所等について、これを決定する権限を有するものであり、したがって使用者が業務上の必要から労働者に配置転換なり、転勤を命ずることは原則として許される」とされています。

したがって、業務上の必要性があれば、どのような転勤の命令であっても認められるため、基本的に、拒否することはできません。

例外もある

労働契約法第3条5項では、「労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない。」としています。

したがって、権利濫用となるような転勤命令は違法となりますので、断ることができます。

対策は

『転勤をしたくない』と思う場合、就職する段階、あるいは、転職する段階で、会社と約束をするとよいでしょう。

つまり、雇用契約に、地域や職種に限定する「限定的特約」を付加してもらいます。

例えば、雇用契約書の中に、「勤務地は東京本社とする。他の支社への異動はない。」などと記載してもらうとよいでしょう。