残業代は1分単位でもらえるか?
全額支払いの原則とは
賃金は、労働時間に対して全額支払うことがルールです。
労働時間はたとえ 1 分でも労働時間として算定されます。
これは、残業手当(時間外手当)についても同様です。
つまり、法律上は、残業代も1分単位でもらうことができます。
端数処理が認められる場合
しかし、常に1分単位で計算していては、給与計算が煩雑になります。
とくに、給与計算がシステム化されていない会社にとっては、大変な作業となってしまいます。
また、細かい計算をめぐって、社員との間でトラブルが発生する恐れがあります。
そこで、労働者の不利となるような方法でなければ、事務処理の簡便化のため、端数処理することが、法律上は認められています。
通達によると、「1か月における時間外労働等の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30 分未満の端 数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げる方法については、労基法違反としては取り扱わない」としています。
すなわち、日々の残業時間については1分単位で計算し、合計します。
合計した1か 月の残業時間の合計に端数がある場合に、端数処理を認めるという仕組みです。
なお、仮に、これを誤解して毎日の残業時間の 30 分未満を切り捨てるのは、違法となります。