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有期雇用契約でも途中で退職できるか

有期雇用契約の途中退職について、次のような相談がよくあります。

「一般事務で働いており、3年間の労働契約を結んでいます。
これまで、丸2年間、働きました。
しかし、家庭の事情で、昨日、退職を申し出ました。
ところが上司から、『契約期間の途中での退職は契約違反だ』と言われました。
この申し出は有効ですか?」

結論から言えば、相談者の場合は、労働契約の初日から 1 年を経過していますので、この退職の申し出は有効となります。

理由

労働基準法の附則第 137 条には、つぎのように定められています。

「期間の定めのある労働契約 (一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が 1 年を超えるものに限る。)を締結した労働者 (労働基準法第 14 条第 1 項各号により契約の期間を 5 年とすることができる労働契約を締結した労働者を除く。) は当分の間、当該労働契約の初日から 1 年を経過した日以降においては、民法第 628 条の規定にかかわらず、その使用者に申し出ることによりいつでも退職することができる。」

これを簡単に言うと、労働契約の初日から 1 年を経過していれば、労働者からの退職の申し出は有効ということになります。

そして、逆に言うと、労働契約の初日から 1 年を経過しないうちは、やむを得ない理由がない場合に限り、労働者は退職を申し出ることはできないことになります。

ただし、この法律には適用外となる職種がある点に注意が必要です。それは、専門的知識等を有する労働者や、満 60 歳以上の労働者です(労働基準法第 14 条第 1 項)。

関連法令(労基法附第137条、労基法第14条第1項、民法第628条)