妊娠による内定取消し,本採用取消しは許されない
女性の就職,転職と妊娠
女性が就職するの年齢は20代前半、転職を考える年齢は20代後半から30代前半のことが多く、ちょうど妊娠・出産の適齢期と重なります。
したがって、入社前(在学中)や、入社してすぐの仮採用の段階(試用期間中)に妊娠していることが判明するようなケースで、就職先との間で、問題となりやすいです。
会社に伝えたら採用が取り消されるのではないかと不安に思うかもしれません。
しかし、法律が守ってくれますので、心配はいりません。
内定や採用の取り消しはされない
原則として、妊娠していることを理由に内定や採用が取り消されることはありません。
妊娠や出産をしていないことを採用条件とすることは、男性と異なる条件を付すことになるからです。
同じような考えのもと、女性に対して、結婚(婚姻)、妊娠、出産、産前産後休業などを理由に「解雇」することも禁止されています。
意図的に隠していたら
ただ、妊娠していることが既に分かっているのに、それを隠して就職や転職の面接を受ける女性も少なくありません。
これについては問題のある行為だと思う方もいるかもしれませんが、実は、妊娠は、いわゆる「採用条件にかかる重要な秘匿」にはあたらないため、打ち明ける義務がありません。
したがって、妊娠を会社に打ち明けなかったからといって、内定や採用の取り消しにはなりません。
もしも面接時に、妊娠していることを打ち明けたとしても、会社は、妊娠を採用拒否の理由にできません。
もし質問されたら
まれに、妊娠や出産に関する質問をする面接官がいます。
しかし、この質問は、女性にしかされない質問であるという点で、男女雇用機会均等法に違反します。
よって、会社は、採用にあたり、女性の妊娠を確認することはできません。
同時に、応募者は、妊娠の有無について面接で聞かれたとしても、答える義務はありません。
ちなみに、試用期間中であっても、女性労働者は、会社に請求すれば、産前休業などを取得することが可能です。
関連法令(均等法第8条)