部下の退職を防ぐ方法・引き止める方法
近年は、新卒の教育制度に力を注ぐことで、新卒者の離職率を低下させる会社が多くなっています。
しかし、一般的に、2年目を過ぎると、さまざまな理由で退職を希望する部下が出てきてます。
主な退職理由には、人間関係や、仕事へのモチベーション低下、あるいは、帰郷(地方出身者が地元へ戻る)などがあります。
女性の場合は、結婚(結婚による転居)、 育児、介護などもあります。
若い部下の離職防止は、会社の死活問題です。
ここでは、部下の退職を防ぐ、あるいは、退職を申し出た部下を引き止めるために、上司ができることを紹介します。
退職を防ぐ
退職のサイン・兆候
多くの事例では、退職を考え始めた部下は、はじめに元気がなくなります。
あいさつのような何気ない行動にも、変化が出る場合が多いです。
また、思い詰めて体調を崩したりします。
同僚や、親しい先輩は、退職について相談を受けている場合があり、心の変化を知ることができます。
なお、本来、上司は部下の会話や表情の変化に注意するべきです。
しかし、一般的に言って、毎日の忙しい業務をこなす中で、上司が部下の変化に気づくことは難しいです。
声かけをする
部下の小さな変化を見過ごさないように、常日頃から注意しましょう。
意識して声をかけたり、話をしたりすることが大切となります。
たとえば、部下が挨拶のときに視線をそらすなど、コミュニケーションの中で気になることがあれば、その日のうちに声をかけ、面接をする時間をつくるとよいでしょう。
面接では、何が不満なのか、何を不安に感じているのかなどを具体的に聞き出せるように努めます。
このときの注意は、「部下の発言を妨げない」、「部下が話し終えるまで聞く」、「早合点せず部下の話を細かく聞く」、「部下を否定する言い方をしない」などです。
解決できる問題であれば、解決策を明確にすることで面接は一応の成功です。
解決できない問題でも、話を聞いてもらえたことで、満足感から退職にまでは至らなくなる場合があります。
なお、本人と話をしにくいときは、周囲のスタッフや、部下を直接に指導しているスタッフなどに意見を聴くとよいでしょう。
退職を引き止める
まず受け止める
部下が退職を申し出てきたとき、上司としては、 やはり、よく話を聞くことが大切です。
あれこれ質問せず、部下の言いたいことを言わせ、上司として理解してあげます。
そのうえで、辞めてほしくないことを 伝えます 。
面接時間を確保する
部下が退職を申し出たとき、ひとまずは簡単に話を聞き、後日、引き留めるための面接を行う時間を確保します。
部下も頭の中が整理できていないケースが多いため、時間を置くことで、冷静な話ができるからです。
面接では、退職を決意した理由を、 じっくり聞き出します。
そして、『将来を期待する大切なスタッフだから辞めてほしくない』と相手に伝え、 退職ではない方法で問題を解決できないか、納得できるまで話し合います。
たとえば、退職理由でよく問題になるのは人間関係ですが、この場合でも、異動や配置転換によって解決できることが多いと言われています。
また、労働時間が長かったり、仕事の負担が大きかったりして疲弊したことが原因の場合も、勤務体系を変更するなどで退職せずに済むことがあります。
それでも退職の意思が固いとき
なお、断固として説得に応じない部下の場合は、残念ながら退職はやむを得ないと判断し、本人のために、面接の方針を変更します。
つまり、相手に退職することを選択せざるを得なくて残念だと伝え、退職に応じます。
そして、これまでの労働をねぎらい、お礼の言葉を述べます。
また、機会があれば、また職場へ戻って来てもよいと伝えます。
まとめ
問題は、部下が『辞めたい』と申し出てきた時に、ただ間雲に引き留めるので は な く、原因を分析し、いっしょになって解決策を模索することです。
これは、職場環境を改善するチャンスでもあります。
上司として、会社に貢献できるような職場環境づくりに取り組みましょう。