就職先で良い人間関係をもつためのアドラー心理学
就職先で活躍するためには、よい人間関係をもつことが必要です。
もしも職場の人間関係がギクシャクしてうまくいかなければ、不満、悩み、苦しみ、恨み、憎みが生じます。
離職する原因の第1位は人間関係の問題ですから、よい人間関係があってこそ、幸せに仕事をすることができると言えそうです。
しかし、職場でよい人間関係を築くことは、それほど簡単ではありません。
職場で良好な人間関係を築くにはどうすればよいのでしょうか。
ここで、アドラー心理学と呼ばれる心理学が参考になります。
アドラー心理学とは
オーストリア生まれの精神科医アルフレッド・アド ラー(1870~1937)は、「個人心理学」を考えました。
日本では、「アドラー心理学」と呼ばれています。
アドラー心理学は、対人関係の心理学です。
人生のあらゆる問題を、対人関係の問題と捉えています。
職場の理想の人間関係とは、すべての職員が平等で、上司も部下もなく、みんなが意思決定に参加できる状態です。
しかし、会社では、残念ながら、人が人を支配しています。
つまり、経営者と労働者の関係は、支配と服従の「上下の人間関係」となっています。
このようなタテの関係では、上の立場の者が判断と決定を行い、下の者は指示されたり命令されたりします。
この関係性の背後にあるのは、『上の者は、判断や決定を間違えない』という考え方です。
このような関係性の悪いところは、下の立場の者からすると、自分が大切にされているとは感じないことです。
そればかりか、上の者の指示に従おう気持ちにすらなりません。
アドラー心理学において、重要なポイントが2つあります。
1つ目のポイントは、お互いに尊敬することです。
相互の尊敬がなければ、よい関係は築けません。
相手を自分と対等の人間として尊敬することには、相手に対する信頼を示すことになります。
反対に、他のメンバーを批判したり、反省を促したりすることは、相手の尊厳を軽んずることになります。
建設的な言葉を交わすように努めることが大切です。
2つめのポイントは、勇気づけです。
困難なことに挑戦したり、 課題を克服しようとしたりするときに、勇気づけると良いでしょう。
勇気づけは失敗の場面でも使えます。
「もう一度やってみよう」,「今度はうまくできる」などと勇気づけることが可能だからです。
このような取り組みで良い人間関係が生まれると、社員が、自分の役割や責任を果たそうとする気持ちが生まれ、そのときに初めて、ひとりひとりが、主体的に行動しようとします。