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会社での学会や職能団体への強制加入は人権侵害(パワハラ)で違法となる

会社では、学会や職能団体への加入が強制される場合がありますが、法律的な問題点を解説します。

解説

会社に勤務していると、職場の上司から、特定の学会や職能団体に加入するように勧めらることがありますが、時として、上司という立場を利用して強制的に加入させようとする場合があります。

基本的には、学会や職能団体への加入は任意ですが、それを強制することは、個人の自由意志を無視する行為であり、また、会員費などの費用負担を強いる点で、問題があります。

憲法上の規定「思想・良心の自由」

憲法19条では思想・良心の自由の保障を規定しています。

「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」という規定です。

思想・良心の自由は、内面的精神活動のなかでも最も根本的なものです。

人それぞれが、心の中で何を考えていても、他人や国家から一切干渉されない自由を保証しています。

したがって、学会や団体に所属させようとすることは、思想・良心への自由を侵す行為であり、人権侵害にあたります。

憲法上の規定「結社の自由」

また、憲法22条1項では結社の自由の保障も規定されています。

「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」という規定です。

結社の自由とは、共通の目的を持った人が集まり継続的に結合する自由です。

したがって、どのような学会や団体に所属するかについては自由が保証されており、強制に加入させようとする行為は、人権侵害にあたります。

憲法上の規定「財産権」

さらに、憲法29条は、「財産権は、これを侵してはならない。」と規定しています。

これは、所有権を中心とする財産権を,公権力といえども侵害しえないという原則のことを意味します。

公権力ですら不可侵のものを、会社や上司が侵害できるはずあり得ません。

したがって、会員費などを払わせようとする行為は、財産権を侵す行為であり、人権侵害にあたります。

例外

なお、会社から強制される場合とは異なるケースですが、一部の職能団体(弁護士会など)については、業務遂行のために法律で強制加入が義務付けられている場合があります。このような場合は、強制加入に違法性はありません。